根付は、煙草入れや印籠などの紐のはしに付けて帯にはさんだものをいい、職人は木工や象牙の細工に技を尽くしました。弁吉も手の混んだ根付を数多く残しています。
台の中の仕掛けで人形が鼓をうち笛を吹きます。音のでるからくりは江戸時代にたくさん存在しました。
この「角出しガブ」は、美しい娘の顔が「小猿」と呼ばれる仕掛け糸を引くことで、口が裂け、金色の目を剥き、角が出て鬼のような顔に豹変します。仕掛けはセミ鯨の歯(通称ヒゲ)のバネや三味線用の糸が使われています。
祭りや芝居のからくりは大仕掛けで操作が難しいものが多いです。座敷からくりは誰でもが動かせ楽しめるように作ってあります。江戸後期/栗森長八氏蔵
車中央の歯車装置で人形が一定の方向を向くように左右の車輪の回転差をなくしています。
茶運び人形の構造は西洋から伝わった機械時計を応用しています。約30点ほどの部品からなり動力となるゼンマイは金属製のものが作れなかったので、鯨のヒゲを使用しています。
古くからあるからくりで、台の中に仕掛けがあり手回しやゼンマイで人形が動き、ふいごや弦によって音のでるものもあります。江戸後期/山本勝美氏蔵
人形が持つ箱を上下させる度に箱の中身が変わります。西洋へも伝わった人気の高いからくりです。
ゼンマイで動作し、ランプのかすかな光でウトウトしながら手紙を書くように動きます。
レンズ越しに情景を描いた絵を覗かせる大型の「のぞきからくり」は、寺社の祭りや縁日などの見世物として登場し、当時の子ども達に大変人気がありました。展示室では金沢の地名の由来にとなった民話をご覧いただけます。
大野弁吉は、からくり人形のほか当時の最先端の科学を駆使し、時計やライター、写真機や望遠鏡など数多く考案しています。その一つ、エレキテルはもともと静電気を発生させる摩擦起電器だったが、そのうち電気治療器として医療にも使われました。
舞台では、回り舞台・セリ上がりといった様々な機構的技術が、出し物や進行に合わせシス テマチックに構成されています。動力は確かに人力でしたが、それは演劇進行上の微妙な機敏に対応するのに適していたからであり、その点で当時世界最高の劇場でした。
からくり箱
からくり箪笥(たんす)
パズル
ゲーム